外国の鉄道に乗ってみよう〜韓国縦断旅行〜
3月30日 木曜日 2日目・北朝鮮へ

韓国へ来て2日目になりました.
よその国での生活に慣れることができるのでしょうか….


地下鉄2号線  合井→乙支路入口


ゲストハウスから最寄の駅の合井駅の入り口です.
地下鉄の乗り方は日本と全く一緒なので,駅名さえ覚えていればどこでも行くことができますよ.
合井駅から地下鉄に乗り乙支路入口駅へ.

この日のメインは楽しみにしていた現地ツアーの参加です.

現地ツアーに参加して,どこへ行くのかというと…
韓国と北朝鮮との国境,板門店です.
これから北朝鮮へ突入しますよ.
 
この板門店へは,個人では行くことができず,ツアーに参加しなければ行けません.
今回は,大韓旅行社の板門店ツアーに参加しました.
http://www.seoulnavi.com/goods/tour_view.html?div=tour_theme&id=71#

料金が昼食付きで8750円と少し高いですが,それだけの値段で北朝鮮へ行けると思えば安いのでしょう….

また,板門店へ行くためには服装の制限もあります.
Gパン,Tシャツ,半ズボン,サンダルは不可.露出の多い服もダメで,男性の長髪も不可.
このような服を着ていくと,軍人さんに止められます.
迷彩服はもちろんダメです….そんな服を着てきたら北朝鮮に発砲されるかもしれませんよ.(笑)
だから板門店へ行くなら,それ以外の服装で行きましょう.

集合場所はロッテホテルの中にある大韓旅行社のカウンターです.


地下鉄2号線の乙支路入口駅を出ると,すぐそばにあるロッテホテルです.
韓国でも有数のホテルです.こんな所に個人で泊まると,強烈に高いよ….

カウンターで手続きを済ませ,バスを待ちました.
この日のツアーの参加人数は,80人くらい….
ニュージーランドの人が1人いただけで,あとは皆日本人です.
身の回りで日本語が聞こえるのが懐かしい….(笑)
バス2台で板門店へ向けて出発です.


観光バス  ロッテホテル前9:00→板門店


漢江沿いの高速道路のような一般道を走り,北の方へ向かっていきます.
それにしても道が広い….一般道なのに信号はないし,片側5車線とか….
写真に写っている橋を渡って向こうの方へ行けば,仁川空港まで行けたような気がします….


ソウル市内から漢江沿いの道路を40分程北に進んでいくと,見えてきましたよ.
道路の向こうに有刺鉄線がグルグル巻きにされていますね.
有刺鉄線の向こう側に川がありますが,その川の向こうの山が北朝鮮ですよ!
いよいよ,近づいてきました….


川に沿って進んできましたが,途中で国道1号線に入り,さらに北の方へ….
板門店までは11km….いよいよですね.
この国道1号線は,釜山から平壌まで続いているみたいです.
ただ,板門店から先は行くことができないんですけどね….
 
なおここから先は,決められた場所以外では一切写真撮影が禁止です.
勝手に撮って見つかったりすると,フィルム没収やデータ全消去は当たり前で,運が悪ければ死ぬかもしれませんって言われました….
そんな怖い所にこれから突入します.

国道1号線を北に進んでいくと,すぐに臨津江(川の名前)の統一大橋に差しかかります.
統一大橋から北朝鮮との境界線がある板門店までは10km程ありますが,統一大橋から北へは民間人統制区域と言って,民間人は許可無く行くことができません.

統一大橋を渡る前にゲートがあり,バスはそのゲートの前で止められました.
すると,すぐに銃を装備した軍人さんがバスに乗ってきて,全員がパスポートのチェックを受けました.

この統一大橋は,北朝鮮からのもしもの時の侵入を防ぐために,まっすぐ進めないようにバリケードが交互に並べてあります.
バスはそのバリケードをよけて,スラローム状に進んでいきました.
写真撮りたいけど,撮って見つかったら死ぬ….(笑)

民間人統制区域内の国道1号線をさらに北へと進んでいきます.
10分ほどすると,駐車場のような所に入りました.
そこでバスから一旦降ろされて,2列に並ばされました….
その後,再びパスポートのチェックです.


パスポートのチェック後は,国連のバスに乗り換えます.
国連の軍人さんが運転をし,もしものときの攻撃のために私たちを守ってくれるそうです….
そんな雰囲気の中,バスはさらに北へと進んでいきます.

少し進んで行くと,国連のベースキャンプに着きました.
ベースキャンプの建物のの中で,朝鮮戦争の話を聞きました….
話の最後に1枚の紙が配られました.

読んでみると…
(一部抜粋)
「敵の行動(活動)によっては危害を受ける又は死亡する可能性がある.事変・事件を予期することはできないので国連軍,アメリカ合衆国及び大韓民国は訪問者の安全を保障することはできないし,敵の行う行動に対し,責任を負うことはできない.」

……….
これにサインをしなければ,この先進むことができません….
怖いところですね….


建物の外には,朝鮮戦争で韓国に協力してくれた国の国旗が掲揚されていました.
日本の旗はありませんよ.

再び国連のバスに乗り,軍事境界線へ向かっていきます.

軍事境界線から南にちょうど2km以内の所は非武装地帯です.
非武装地帯とは,朝鮮半島を横切る長さ248kmの軍事境界線から南北に2kmずつ区切られた内側の地帯のことです.

両側2車線くらいの幅の国道1号線を走り,バスは非武装地帯へ入っていきました.
いよいよ北朝鮮まであと2kmです.

この辺りには道路の端に高さ3mくらいの壁があり,もしものときの侵入のために,いつでも壁を爆破させて道路を封鎖できるようになっています.
写真を撮りたい….(笑)

国連軍のジープに先導されて,国連のバスは軍事境界線に近くまでやってきました.
ここで,バスから降りて,国連の施設の展望台に上がりました.


展望台からの眺めです.向こうの山々が北朝鮮なのですが,見難いのでもう少し拡大してみましょう.


北朝鮮の国旗が掲揚されています.世界一高い国旗掲揚台としてギネスブックにも載っているそうです.
旗だけで300kgくらいの重さがあるとか言ってました….
変な所で頑張りますね,北朝鮮….(笑)
掲揚台のそばには建物がたくさんあり,村があります.
村があるんですが,この村には人が誰も住んでいません.
この村は宣伝村といって,私たちに北朝鮮の国民は皆このような素晴らしい所に住んでいるんだと見せつけているだけの村です.
しかし,実際は……….


水色の建物が,国連のもので軍事停戦委員会会議場です.
あの建物のちょうど真ん中より手前が韓国,奥が北朝鮮です.
奥の3階建ての灰色の建物が北朝鮮の板門閣です.
小学校や中学校の社会の教科書で載っていた所に,今こうしてここに来ているとは….

さて次はあの会議場の中へ行きましょう.
兵士のあとについて,2列で並んでいかなければなりません.
この辺りでは亡命と間違われるため,絶対に走ってはいけないそうです.


兵士に連れられて,会議場の中に入ってきました.
この会議場内には兵士が2人警備をしています.
テーブルの真ん中に国連の旗が置いていますね.あの旗をちょうど境にして,手前が韓国,奥が北朝鮮です.
この会議場内でのみ,北と南の行き来をすることができます.
では,これから北朝鮮に入りましょう….


北朝鮮の領域から写真を撮りました.
実感なんか,これっぽっちも沸きませんけどね….
国をまたいで兵士が一人立っていますが,微動だにしません.
拳を握り締めていつでも攻撃できるような態勢をとっているそうです….
すごい緊迫感….
ここでちょっと羽目を外して,つまずいたりしたら死ねます.(笑)


この兵士より絶対に後ろに行ってはいけないそうです.
後ろに行くと,国連はもう責任が取れないとかなんとか.

とっさにこの扉を走り抜けると,北朝鮮へ亡命をすることができます.
新聞の一面に載るどころか,歴史上の人物になれますよ.(笑)
ただ,二度と戻ってくることができないでしょう….

兵士に後に続き,バスに乗り次の場所へと連れて行かれました.


写真の真ん中に橋が見えますね.「帰らざる橋」という名前がついているそうです.
朝鮮戦争が停戦になる時に,捕虜の交換が行われました.
捕虜は自分の意思で,北へ行くか南へ行くかは自由に決めることができましたが,一度橋を渡ると二度と戻ってくることができないことから,「帰らざる橋」という名前になっているそうです.
この時に北を選んだ人は……….


バスで帰らざる橋のすぐ近くまで来ました.
ここは警備をしている兵士がいないので,バスから下車することはできません.

板門店での観光はこれくらいです.行動はかなり制限されるので,あまり自由な行動はできません.
最後に国連が経営する土産屋さんに寄りました.


観光バス  板門店→ロッテホテル前15:00

行くときと同じ道を通り,ソウルへと戻っていきます.
途中で,レストランに入り昼食休憩をとりました.


レストランと大韓旅行社の観光バスです.
昼食はバイキングでした.
和食や中華,韓国料理,洋食などいろんな食べ物がありますが,何を食べても全て辛い….(笑)

昼食後,再びバスに乗りソウルのロッテホテルへと戻りました.

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